特集 教員だからこそできる地域貢献
「ほっとステーション クローバー」開設と支援―地域で育ちあうピアカウンセラー
岩城 恵美子
1
,
坂本 裕子
1
,
荒川 直美
1
,
柏木 美佐子
1
,
木下 陽子
1
,
田上 晃子
1
,
冨永 章子
2
,
梅崎 陽子
3
,
怒留湯 美季
4
1熊本労災看護専門学校
2熊本県健康づくり推進課
3熊本県八代地域振興局
4助産婦ネットワークwith KUMAMOTO
pp.399-403
発行日 2006年5月1日
Published Date 2006/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100253
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はじめに
熊本労災看護専門学校(以下,本校)では,教育目標に「保健医療福祉制度を総合的に理解し,人々が社会資源を活用できるように調整的役割を果たすことのできる能力を養う」ことと,「保健医療福祉チームとしての看護の役割を果たす技術習得」をあげ,卒業生の特性としても「保健医療福祉チームの一員としての看護の機能と役割を理解し,他職種と協働できる能力を持つ」ことを謳っている。しかし,現実の実習においては受け持ち患者中心の看護過程展開と,日常生活基本技術や治療・検査の診療の補助技術が中心を占めているのが現状である。
筆者の一人である岩城は,2003年まで熊本労災病院に外来師長・産婦人科病棟師長として勤務していた。当時熊本労災病院では,地域に根ざした医療の提供として,八代地域振興局の保健師とともに,熊本労災病院の助産師を高校生への「出前の性教育」に派遣していた。この活動によって,施設内助産や保健指導以外に関心を示さなかった助産師が,地域の中核病院に勤務しているという自覚を持つように変化した体験をした。助産師によると,地域の性のモラルの現状を実感し,若年の産婦人科外来受診者や入院患者への見方,考え方が変わったという。指導も施設内の助産・保健指導中心から,生活者としての視点での指導に変わってきた。
このような経験から,学生にも地域の中で学習できる場がほしいと考え,県が募集したボランティアに応募した。この活動は,県主催の思春期相談室のピアエデュケーションに参加することであった。学校全体として支援することで,学校の掲げる目標に近づきたいと考えた。
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