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前号に引き続き,読者から寄せられた質問に回答する形で進める第2回目です。「主に症状に関する質問」のなかの,Q13から回答していきます。
主に症状に関する質問
Q13:喫煙者と一緒にいて,その人の煙でアトピー性皮膚炎が出てしまうというようなことはあるのでしょうか?
回答
周知の通り,たばこの煙にはわかっているだけでも4,000種以上の化学物質が含まれています。その中には,カドミウムやベンゼンなど60種以上の発ガン物質・発ガン促進物質が含まれています。さらに,大気汚染物質として環境基本法に設定されている一酸化炭素やカドミウム,シックハウスの原因化学物質として化審法(「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律」)によって規制されているホルムアルデヒドなどが含まれています。このような有害物質は,喫煙者が直接吸い込む主流煙よりも,たばこの点火部から立ち上る副流煙のほうが圧倒的に多いのです。受動喫煙によって煙を吸わされる状況は,できる限り避けたほうがよいでしょう。なぜなら,化学物質はADのアレルゲンなので,たばこの煙を吸うことによって症状が出現したり,悪化したりすることが容易に推測できるからです。そもそもたばこ自体,ADの人に限らず,人間に健康被害をもたらすものなので避けるべきだと思います。私の場合,たばこの煙を吸ったり,煙が充満している場所に入ると,喉がいがらっぽくなる,咳がでる,眼がしょぼしょぼするなどの症状がでます。日頃から,喫煙者とはできるだけ同席しない(禁煙席を選択する),喫煙者がたばこを吸い始めたら理由を話して退席するなどの対処をとっています。現在は,禁煙の場が多くなっているので,喫煙者のほうが遠慮してくれる場合も多いので,助かっています。
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