特集 保健婦の地区活動を再考する—ニーズ把握とplan・do・see
保健婦の視点を生かす地区診断
成木 弘子
1
1日本赤十字看護大学地区看護学
pp.718-725
発行日 1999年9月10日
Published Date 1999/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902949
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はじめに
「地区診断していますか?」この問いにどのくらいの保健婦がYES!と答えられるのだろうか。目の前に展開される業務や個別相談をこなすことで精一杯。学生時代は,「保健婦の行う地区診断は,受け持ち地区の成り立ち,そこに住む人々の生活実態と健康問題を把握し,さらには,保健婦自身の取り組むべき活動は何であるかを明らかにしていくものである1)」とされ,たくさんの既存データ分析や調査を体験した方も多いと思う。しかし,卒業後の実践活動の中で展開してゆくことを困難に感じ,それ故に挫折感を感じている方も多いのではないだろうか。保健計画などさまざまな活動計画がつくられている時代背景の中で,保健婦の視点を生かした地区診断はどのような形をとっていったら本来の目的を達成できるのだろうか。地域保健法の制定を機に,保健婦の地区活動の重要性が高まり,地域診断の必要性も再認識されている2)。本稿では,地区診断が実施しにくい背景を整理した上で,保健婦の視点を生かした地区診断方法を検討していきたい。
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