研究
保健所の政策化に関する会議の活性化の要因—保健所保健福祉サービス調整推進会議痴呆性老人部会をとおして
井上 郁子
1
,
金子 仁子
2
1神奈川県鎌倉保健所
2滋賀医科大学医学部看護学科
pp.648-659
発行日 1997年8月10日
Published Date 1997/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902897
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●研究要約
保健所における保健医療福祉の連携や,処遇の検討や連絡調整,支援の検討を行う保健所保健福祉サービス調整推進会議の下部会議である痴呆性老人部会が,どのように企画・調整・学習の場・政策化にむけて展開しているのかを調査した。その中から課題を整理し,会議の活性化の要因について分析を行い以下の結果を得た。
保健所の会議は,「情報交換」「解決策立案」「組織間調整」「意志決定」のすべてを実施しており,活性化の要因としては,
(1)企画:①住民の現状を的確に把握し,適切にアセスメントできること,②ニーズから的確に目標の設定ができること,③問題提示の方法か具体的でわかりやすいこと,④会議の意図を伝えるための,根回しが十分できていること,⑤場面設定(実施回数,参加者の選定,資料などの準備,会場設定)が適切であること,⑥事務局内で課題を共有し,目的を明確にすること
(2)調整機能:①参加者が問題を共有し,合意し,解決にむけて積極的に話し合うこと,②目標の評価としては,出された課題を整理し確認していくこと,③参加者の役割や,立場が明確になること
(3)連携機能:①参力口者の役割が有効に生かせる場ができ,お互いに関係をとりあいながら,事業を進めていくことが,会議において認められること
(4)学習の場:①関係者の主体的な学習の場になること
(5)政策化:①会議の結論が親会議(保健所保健福祉サービス調整推進会議)に生かすことができること
が必要であることが明らかになった。
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