活動報告
今後の保健所保健婦の業務の在り方に関する分析—KJ法を用いて
松本 絵里子
1
,
野見山 数江
1
,
三浦 好江
1
,
中川 康子
1
,
桐明 智美
1
,
鬼木 弥生
1
,
石橋 照子
1
,
安河内 浩子
1
,
桑原 祐一
1
,
金出 明子
1
,
松田 晋哉
2
1福岡県直方保健所
2産業医科大学医学部公衆衛生学教室
pp.660-664
発行日 1997年8月10日
Published Date 1997/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902898
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●要約
今後の地域公衆衛生活動における保健所と保健所保健婦の役割を考察する目的で,KJ法を用いて保健所保健婦,市町村保健婦および保健所事務職の当該事項に関する意識を調査した。その結果,今後の保健所の役割として,保健所保健婦は「情報の収集と分析(地区診断)」「保健福祉医療の連携のための調整」「管内の関連職種の研修・教育」を重視しており,市町村保健婦は「市町村の人的・技術的支援」を期待するものが多かった。一方,保健所事務職は「地区診断」「環境問題」「広域の調整業務」「訪問,健康づくりに代表される直接的な対人サービス」を保健所の役割としてあげられていたが,いずれも意見が少なく,事務職の無関心さが示唆された。
また,保健所保健婦の機能に関しては,保健所保健婦は「情報の収集と分析(地区診断)」「管内の慢性疾患の管理・支援」「管内の住民の健康教育」を,市町村保健婦は「市町村の人的・技術的支援」を重視していた。また,保健所事務職は「不明」とする意見が多く,保健婦と事務職との間の意思疎通の改善の必要性が示唆された。以上の結果より,今後,地域公衆衛生活動を効果的に行っていくためには,まず関係者間での意識の共有が必要であると考えられた。
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