特集 保健の視点を生かすまちづくり
看護職の視点を持って政策決定を
原 礼子
1
1日本赤十字看護大学
pp.346-350
発行日 1997年5月10日
Published Date 1997/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902871
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
保健婦と施策への参加というテーマについては,これまでにも本誌で取り上げられており1),保健婦が政策決定のプロセスに参加するのを阻害している要因も指摘されている。「政策」,この言葉だけを聞くと日常,具体的な直接サービスを提供している保健婦にとっては遠いところの問題のようにも思える。辞書を開いてみると,「①政府・政党などの,基本的な政治の方針。政治方策の大綱。②政府・政党・個人や団体などが,政治上の目標達成のための手段としてとる,特定の方法・進路」とあり,政治色が濃厚でそれだけで近寄り難いものを感じる。さらに「政策決定」となると保健婦の活動とはほとんど関係ないと思われる方も多いのではないだろうか。政策決定を個人として日頃の保健活動の中で考えてみると,所属する地方自治体の行政組織において不足しているサービス,これから必要と判断されるサービスやケアシステムなどを予算に裏づけられた新規事業として打ち立てていくことと考えられる。また,看護の職能団体として考えてみると,厚生省をはじめとする国レベルの健康施策決定に関わっていくことだと考えられる。
Copyright © 1997, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.