特集 「健康づくり」がパスポート―海外に飛び出した保健師
【海外TOPICS①】アフガニスタンの保健活動に求められる支援
高橋 央
1
1JICA国際協力研修所国際協力専門員室
pp.954-959
発行日 2002年11月10日
Published Date 2002/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902702
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アフガニスタンでは,23年余りにわたる内戦と,2001年9月11日に米国で発生した同時多発テロ以降,その温床として「テロとの戦い」の主戦場となっており,いまもって真の平和が訪れたかわからない状況にある。しかし2002年に入ってタリバン政権が崩壊したのを機に,日本を含めて国外からの支援が急速に増え始めている。
およそ四半世紀の戦乱は,アフガン社会全体に破壊と停滞をもたらした。保健分野でも器材・資材・人材の全てが不足し,劣悪な状況のままにある。紛争後の国家を復興・再建する試みは,冷戦終結後の1990年代に入って,カンボジア,ソマリア,グァテマラなど世界各地で経験されてきたが,アフガニスタンの場合,正式な政権が未だ樹立しておらず,依然として軍閥が群雄割拠している戦国状態にあり,復興支援はとりわけ困難と予想される。
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