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学校に保健所を1年間じっくりと使ってもらう−愛知県立豊田東高校でのエイズ啓発事業
pp.807-810
発行日 2000年10月10日
Published Date 2000/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902268
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夏休みに入る直前の7月10日から19日にかけて,愛知県立豊田東高校の図書館に「エイズしっとる館」が開設された。「エイズ啓発事業」の一環として,豊田市保健所感染症予防課が高校と連携して企画したものである。さまざまなパンフレットやポスター,コンドーム,メッセージキルトを図書室内に展示し,夏休みの自由研究にエイズを取り上げようと考えている生徒に,保健婦やNPO関係者,養護教諭が研究のアドバイスを行う。モデルは本誌でも紹介した池袋保健所の「エイズ知ろう館」である(1995年2月号,1996年3月号参照)。
今年度,豊田市保健所と豊田東高校は,年問の共催事業としてエイズを取り上げている。テーマは「性と生を考える一エイズを通して」。今年の2月から準備が進められ,7月3日の端谷毅氏(日本赤十字愛知短期大学)による講演会と啓発効果測定のための事前アンケートから年間プログラムがスタートした。以降,月に1回ほど,学校の文化祭や豊田市のエイズキャンペーン事業などの機会に,保健所と学校とが共同企画するイベントが用意されている。保健所が学校に出向いて健康教育やエイズ教育を実施する取り組みは他にもあるが,「年間プログラムを持って関わる」となると例は少ない。学校の1年間のスケジュールはビッシリと組み上げられており,学校教諭としても保健所と1年間連携するには,それなりのエネルギーが必要になってくる。今回の連携は,保健所,学校の対話のうえに成り立ったものである。
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