研究
市川市における骨粗鬆症予防検診事業の実施方法に関する一考察
丸谷 美紀
1
,
伊藤 衛
2
1市川市健康増進センター
2昭和大学医療短期大学
pp.674-679
発行日 2000年8月10日
Published Date 2000/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902242
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
要旨
効果的な骨粗鬆症予防検診事業を模索する目的で,市川市における骨密度測定受診者の状況を「18歳以上40歳未満(A群)」「40歳以上65歳未満の未閉経群(B群)」,「4O歳以上65歳未満の閉経群(C群)」「65歳以上(D群)」の4群に分類した。各群の身体状況とライフスタイル,BMI,骨密度,握力について,相互の関連および加齢による変化を検討した。
その結果,8項目で骨密度とライフスタイルに関連が見られた。骨密度とBMIはA群とD群で,骨密度と握力は4群すべてにおいて正の相関が認められた。また平均年齢の上昇に伴い,骨密度および握力は有意に低下したが,BMIは有意に増加した。さらに平均年齢の上昇に伴う身体状況とライフスタイルの変化を検討した結果,身体状況では既往歴が有意に累加したが,ライフスタイルでは平均年齢の上昇とともに骨密度維持に貢献する方向へ改善していた。
以上より,今後の骨粗懸症予防検診事業の実施方法として,4O歳以上の者に対しては,従来どおりに定期的な骨密度測定と生活指導により,骨密度の維持を図る。40歳未満の者に対しては,健康づくりへの啓蒙を行うとともにライフスタイル改善の阻害因子除去を促す,といった行政が健康づくりを積極的に支援していく方法が考えられる。
Copyright © 2000, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.