連載 人とであって花一匁・3
野の花を使って(その1)
宮崎 博子
1
1山口県防府環境保健所
pp.236-240
発行日 1997年3月10日
Published Date 1997/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901541
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野の花と私
私は花や草が大好きです。育てること,みること,飾ること,描くこと,香りを楽しむこと,料理に使うことなど,なんでも好きです。ある人は,私の家の庭を“野原”といいます。子供たちも,“お母さんの野草・雑草園”といいます。猫の額のような小さな土地に何百種類もの花や木々を植えているのですから,まあそういわれても仕方がありません。もちろん,野に咲くはずの猫じゃらしや蓼,姫女苑,野菊を持ち帰ったり,野草がいつの間にか侵入したりしても,結構それぞれがかわいいのでそのままにしています。
草花たちはいつも慰めてくれたり,元気をくれたりします。名も知らない小さな花たちでも,ストレスのたまった時や,悲しい時に見つめると必ず勇気を与えてくれます。野の花の中でも特に印象深く残っているのは,私がとても精神的に落ちこんでいた頃,家庭訪問の途中で見つけた,雪に埋もれて咲いている薄紫色をした野あざみの花です。雪をはらいながら,私もこの花に負けないように頑張ろうと勇気づけられました。
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