折々の花 いとしき糖尿病教室の患者たち・6
花のある男性[1]
佐々木 一枝
1
1横浜中央病院糖尿病センター
pp.1073
発行日 1984年9月1日
Published Date 1984/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661920885
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‘花のある男性’糖尿病患者教育という仕事を介して,私がこれまでに出会ったすてきな男性に,このような表現で賛辞を贈りたいとかねてから思っていた.グループ入院の雰囲気づくりは看護の大切な部分なので,このような男性がいると,とても明るく向上心に富んだクラスとなり,ずい分助けられる.そしてこの人々に共通していると感じることは,明るくてリーダーシップがあり,頭の切り換えが早くて環境に適応しやすい,また職業のいかんを問わず,仕事に自信を持っている人々である.
K氏は当時48歳で会社重役をしていた故人である.話は12年前にさかのぼる.アメリカ系資本の会社重役であったK氏は,その全盛期にはニューヨーク,ロンドン,パリと飛び回り,英・仏語を自由に話して男の社会を肩で風を切って生きてきた人であった.
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