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“猫の手を借りて”痴呆のお年寄りを元気にしよう—動物とのふれあいリフレッシュ教室 神奈川県平塚保健所
田野井 祐子
1
,
イシイ ヨシハル
1平塚保健所
pp.757-760
発行日 1996年10月10日
Published Date 1996/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901419
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読者のみなさんは,“コンパニオンアニマル”という言葉を耳にしたことがあるだろうか。動物を単なるペットとしてではなく「伴侶」としてとらえた言葉である。平塚保健所でこの言葉が話題になったのは5年前のこと。平塚保健所では,痴呆老人を抱える家族が情報交換するとともにリフレッシュして介護意欲が向上することを目的にした「痴呆老人を抱える家族のつどい」を実施していたが(痴呆老人デイケアも同時実施),丁度そのフログラムの新たな切り口を求めていたところであった。早速.つどいにコンパニオン・アニマルを取り入れる最初の試みを平成4年10月16日に行うことにした。使用する動物については,動物保護センターの獣医師に犬や猫・ウサギなどの小動物を保健所へ連れて来てもらうほか,地域の獣医師会,ボランティア,老人施設,市町の福祉課、社会福祉協議会,保健所職員らの協力を得て行った。こうして「動物とふれあいリフレッシュ」の名前で開催した集いは好評を得て大成功を収めた。
実施に至るまでには,日ごろ痴呆老八とは関わりの薄い関係者に痴呆について理解してもらうことなど,各々の関係者が共通の認識と理解を持つために,多くの時間を要した。そんな試行錯誤を重ねながら,第1同以後,年1回この試みを続け,年々スムーズにそしてより充実した「動物とのふれあい」が開催できるようになり,現在に至っている。
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