特集 保健婦はHIVにどう関わるか
エイズ相談・検査における保健所の役割—神奈川県秦野保健所におけるHIV相談・検査体制整備の取り組み
今宮 恵子
1
,
星野 ゆう子
1
,
石川 綾子
1
,
岩室 紳也
1
1神奈川県秦野保健所
pp.700-706
発行日 1994年9月10日
Published Date 1994/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900990
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はじめに
保健所は従来より,あらゆる健康問題(感染症,難病,精神,母子,成人,老人など)に多職種(医師,保健婦,栄養士,歯科医師,歯科衛生士,ケースワーカーら)が対応する健康相談・疾病対策機能を持っている。HIV感染症に対しても同様に,感染予防・偏見除去から感染者支援(最終的には在宅ケアを含めた感染者支援を目的とする)まであらゆる対策が必要である。現在,保健所ではHIV対策として,HIV相談・抗体検査(以後相談・検査とする)と知識の普及啓発を中心に展開しているが,基本的には感染の不安を持つ人が安心して相談・検査を受けることができる場の提供が必要である。
神奈川県秦野保健所では,平成4年度よりHIV対策の目標を,①感染者支援体制の確立,②若者に重点を置いた予防教育とし,神奈川県地域保健医療計画を受けて平成4年度に策定された,湘南西地区地域保健医療計画の重点課題として位置づけ展開している。本稿ではその中のHIV相談・抗体検査体制について,取り組みの経過を報告する。
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