活動レポート
福岡県の—保健所におけるエイズの検査と相談体制
田島 静
1
,
中原 由美
2
,
蓑原 巌
1
,
稗田 慶子
3
1福岡県朝倉保健所
2福岡県久留米保健所
3福岡県保健対策課
pp.215-219
発行日 1994年3月15日
Published Date 1994/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901001
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
●はじめに
昭和62年2月のエイズ問題対策大綱1)の中での「検査医療の体制の充実,相談,指導体制の充実および二次感染防止対策の強化」をうけて,保健所におけるHIV抗体検査は,福岡県では昭和62年2月から開始された.さらに,平成3年2月の「保健所におけるHIV抗体検査の実施について」という通知2)では,プライバシー保護の観点から匿名検査の実施の徹底がなされ,検査前のカウンセリングの実施に対し,消極的な姿勢が示された.平成4年5月の「エイズ対策の推進について」3)では,保健所を含めた検査体制の一層の整備とともに,検査後のカウンセリング体制の充実がもりこまれている.
保健所でのHIV相談・検査については,その重要性は多方面から指摘されているが,その現状についての報告・疫学的検討等の報告は日本においてはない.英国での任意のHIV抗体検査の報告4)があるが,この内容は主にHIV抗体陽性者の割合に重きがおかれている.
私どもは,保健所におけるHIV抗体検査・相談事業の現状および問題点を論ずることで,今後の保健所エイズ事業の一助となるのではないかと思い,昭和62年からのA保健所における相談・検査の現状を解析したので報告する.
Copyright © 1994, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.