連載 衛生制度の開拓者たち—明治はじめ京都における政策をめぐって・11
ストリート・クリーン
小野 尚香
1
1大阪大学医学部公衆衛生学教室
pp.660-663
発行日 1994年8月10日
Published Date 1994/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900980
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清潔な生活環境づくりは,明治はじめの京都でも行政のなかで求められていました。施策は,ゴミや屎尿から発生する「気」に対処して,病気を予防するという観点からはじまります。その「気」は人身に害をもたらす,と考えられていました。
路上で生活する貧しい人たちも,不衛生な状態を生みだしていました。彼らは,府の規則によって本籍地に引き渡され,あるいは府の設置した施設である流民集所などに収容されるように計られました。流民集所の人たちに与えられた最初の仕事は,街のゴミの収集でした。
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