コンピュータの基礎知識・7
検体検査のデータ処理—クリーンデータMARK-Ⅱを例として
鈴木 清八
1
1利康商事(株)技術部
pp.785-792
発行日 1971年8月15日
Published Date 1971/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542907279
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はじめに
近年病院における臨床検査室の検体量は,血液・尿を主体として増加の一途をたどっている.しかし,これに対処すべき衛生検査技師の絶対数が十分ではなく,本来の検査業務に付随した伝票整理,データの記入,転記,報告などの事務作業に抹殺されかねない.
すでに使用されている種々の自動分析装置は,このような実情において必然的に誕生したといえよう.それらは1つの検体より12項目の検査を行なうものや,15秒に1検体を処理する高速分析装置などがある,しかし,検査依頼伝票と照合して検体を自動分析装置にかけるまでの作業配分や,分析後のデータをペンレコーダやプリンタより最終報告書へはほとんど手作業に頼っており,さらに検体の検査項目は少ない病院でも100項目以上に及び,今日自動分析装置で処理できるものは50項目にも満たず,全部の検査項目を自動化することは,資金と技術的な面から無理な話である.さらに検体量の増加に比例して人員を補充することは,近年の専門技術者の供給不足と人件費の上昇を考えた場合,給合的な計画のもとに機械化できるところは機械化でカバーし,本来人間のもっているすぐれた機能を最も重要な検査業務に専念させるべきと考える.
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