日本列島
博覧会に向けてクリーン作戦—岐阜
井口 恒男
1
1岐阜県衛生環境部
pp.489
発行日 1987年7月15日
Published Date 1987/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207507
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レジャーブームにのって,飲食物も携帯しやすいものに変っており,ビニール,プラスチックの他,カン詰,ビン詰製品も市場に氾濫している.マイカー旅行者も多く,心ないドライバーによる空カン投げ捨ても目に余るものがあり,全国各県とも頭を悩ます問題である.
岐阜県では中部地方活性化の起爆剤とするべく,昭和63年7〜9月「ぎふ中部未来博」の開催を計画し,県土あげての準備に大わらわであり,その一環として各種の県民運動が計画されている.環境衛生面においては,道路,河川,公園,空地などに散乱している空カン,空ビン,ゴミなどを一掃するべく環境美化運動を展開することとなり,名称も「美しいふるさと運動」として県民総ぐるみの作戦を計画している.作戦の一つは6月の環境週間,9月の環境衛生週間等に焦点を当て,主要な県下の道路や河川を対象とした清掃活動の実践であるが,これには町内会,老人クラブ,婦人会,青年団,子供会などボランティアグループの積極的な参加が必須となっている.清掃活動は後処理の事業であり,一般ドライバー等の意識が変らない限りイタチゴッコとなり,抜本策とはならない.やはり重要なのは「捨てない,汚さない」意識の高揚や,回収容器の設置など環境整備であり,広報活動の強化と,公園等の管理者や関係事業者の協力が肝要と思われる.
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