日常染色法ガイダンス 組織内病原体の日常染色法—真菌の染色法
グロコット染色
布施 恒和
1
1山形大学医学部附属病院検査部病理
pp.879-883
発行日 1998年9月1日
Published Date 1998/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543903607
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
目的
病理組織学的に真菌症を診断するには,組織内の菌体の確認と微細構造を把握して,真菌を的確に同定することが重要である.
グロコット染色はカンジダ,アスペルギルス,クリプトコッカス,ムコールなどの真菌,ニューモシスティス・カリニなどの原虫と他の染色法で染色されにくい放線菌,ノカルジアなどの原核真菌類も染め出す染色法である1〜4).特に菌体の膜成分を明瞭に染色するため,菌の特徴的構造の把握は容易となり,菌種の同定には不可欠な方法である.
Copyright © 1998, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.