特集 保健医療情報のシステム化とその背景
保健医療情報のシステム化を行って
橋本 真紀
1
1前,岡山県児島郡灘崎町役場
pp.25-31
発行日 1994年1月10日
Published Date 1994/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900855
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はじめに
保健婦活動は個への関わりから,その個の背景としての集団,あるいは個の持つ問題が集積し,集団特性として把握され,公衆衛生的アプローチがされるところに保健婦の専門性がある。特に行政にいる保健婦にはその問題解決が行政政策として立案されるべく,提起していくことが重要な役割であると言える。
看護活動のプロセスは「アセスメント→診断→計画(目標・目的・対策)→実施→評価」であるが,従来保健婦活動評価の多くは件数と時間数,すなわち業務形態からの評価をしてきたといえる。これは保健婦の側からの評価尺度でしかない。本来,看護活動のプロセスで立てられた「目標・目的」に添ってその達成度が評価されなければならない。この点では従来多くは受診率,患者発見率,死亡率などが評価尺度として使われてきた。しかし今日多くの疾病がライフスタイル病とも言われており,健康の質的変化や,対策の経済効率といった多様な評価尺度を持たなければ社会的要求に応えられなくなってきた。そのためには保健婦の持つ多量の情報の記録,分析が必要となり,ニューメディアの導入は必須となってきた。では,保健婦が活用するためにはどのようなソフトであればいいのか,私が町役場保健婦であった当時に開発してもらった健康管理システム『保健婦さん』を紹介する中で述べてみたい。
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