特集 組織づくりという概念
社会学から考えた「組織づくり」の概念
園田 恭一
1
1東京大学医学部保健学科
pp.259-263
発行日 1992年4月10日
Published Date 1992/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900457
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
社会学における組織の概念
まず初めに,「組織」という概念が社会学の分野でどのように定義されているのかということを,いくつかの社会学関係の辞典での説明を紹介しながらみておくこととしたい。
「狭い意味での組織とは,2人以上の人々が共通の目標達成を志向しながら分化した役割を担い,統一的な意志のもとに協働行為の体系を継続しているものをいう。この意味での組織は集団の一種であるといえるが,一貫した指揮系統を持つことによって集団一般とは区別される。組織は個人の単なる総和以上のものであり,個人の特性に還元できない固有の創発的な現象や特性を示す。組織の参加者は成員と呼ばれる。組織が形成される基本的理由は,複数の人々の主体性が結合されることによって,各人が分散している時には得られない拡大された主体性が得られることであり,それを通して,より多くの欲求充足の可能性が得られることである」1)(『社会学事典』,弘文堂)。
Copyright © 1992, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.