Japanese
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Perspective◆展望
糖尿病でも長生きする条件
Necessary conditions on which diabetic patients live to great age
赤井 裕輝
1
1東北労災病院 糖尿病代謝センター
pp.456-457
発行日 2013年7月15日
Published Date 2013/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415101564
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もし,医師である自分が糖尿病になってしまったら……? 読者諸賢どなたも一度は考えたことがあるモチーフに違いない.「だからこそダイエットに努め,学生時代の体重を維持しているんです.」「私は毎日ジョギングしていますよ.」このストレスフルな時代に,業務としての診療をきちんとこなしながら研究業績を残し,学会・医師会活動も行って,そして膵島に負担をかけずに過ごす日々…….このような日常を送ることはそう簡単ではない.何とか境界型で踏みとどまる医師も多いが,糖尿病となってしまって悪戦苦闘を繰り返す医者仲間も少なくない.
私は2人の友人を思い出す.1人は2型糖尿病で糖尿病腎症から透析になってしまった.幸い,ご家族からの生体腎移植により健康な日常を回復し,現在も元気に医師生活を継続できている.もう1人の友人も2型糖尿病だが,網膜症により視力が低下したことから医師としての人生に自信を失ってしまった.視力低下の直近数年間は,極めて良好な血糖コントロールを維持できており,安心しかけた矢先の出来事であった.眼科医はその経過に納得がいかず,相談に乗っていた私も残念でならない.本人は落胆のあまり,もはや医師としての人生を全うする気力が残っていないようである.医師という専門職であるがゆえに気の毒でならない.
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