連載 保健所長のひとりごと
住民をその気にさせるテクニックを磨こう
櫃本 真一
1
1愛媛県伊予保健所
pp.494-495
発行日 1991年6月10日
Published Date 1991/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900257
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「保健婦活動」という言葉を抹殺しよう
突然だが,「保健婦活動」という言葉を抹殺しよう。薬剤師活動や,栄養士活動,医師活動などはあまり耳にしないのに,何故保健婦だけが「保健婦活動」なのか? 保健婦が1人で多職種をこなし,地域において裸足の医師的な役割を果たしてきた功績は大きい。そのために保健婦の活動が,すなわち地域公衆衛生活動とみなされ,「保健婦活動」という言葉が生まれたのだろうか。他の職種のように,各々公衆衛生の一部を担っていることが了解されている場合との違いであろう。
しかし従来とは異なり,保健に関する住民の知識は向上し,ニーズも多様化しており,より専門的なサービスを希望する声が多い中,もはや保健婦のみの活動では,その要望には応えられないのではなかろうか。いま保健婦に求められている役割は,多職種の肩代りをするのではなく,幅広い知識を生かし,人や機関の総合的な活用を考え,コーディネートすることこそ重要であろう。
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