特集 難病患者・家族への地域ケア
難病患者ケアへの取り組みの現状と課題
川村 佐和子
1
1東京都神経科学総合研究所
pp.1076-1080
発行日 1990年12月10日
Published Date 1990/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900162
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「難病」対応の展開
「難病」が今日的課題となったのは,疾患スモン(SMON:Subacute Myelo Optico Neuropathy)の対策を契機としてのことであったから,昭和45年頃つまり約20年前のことである。当時,筆者はスモンの患者組織を手伝っていたが,スモン患者ばかりでなく,筋・神経系疾患患者が医療や福祉の施策からもれ,その恩恵が少ないことに気づいていた。
スモン患者の組織はこのことを踏まえて,とりあえず「難病」というグループの仮設を提起し,国に対して,これらの患者に対する医療や福祉の充実を求めたのであった。つまり特定疾患対象疾患はゼロからのスタートであった。当時は今日のような大規模な取り組みに発展するとは予測できなかった。
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