特集 訪問看護等在宅ケア総合推進モデル事業の実際
看護協会へ委託して実施した訪問看護—宮城県三本木町
佐藤 美貴子
pp.701-708
発行日 1990年9月10日
Published Date 1990/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900109
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はじめに
三本木町におけるモデル事業の特徴は,寝たきり老人対策と寝たきり老人ゼロ対策を,同時進行させたことにある。前者は徹底して在宅臥床老人のcureとcareのために専門的サービスを提供すること,後者は地域コミュニティーケアとして住民の能力参加のもとに展開することであった。cureの中心として医療サービスの担い手である訪問看護婦の供給は,社団法人宮城県看護協会似下,看護協会と記す)に委託し,careの担い手の1人であるホームヘルパーが,保健婦・看護婦とセットされていることも特徴であろう。
どちらの対策にとっても不可欠だったのは,保健婦の地域管理能力であったと思っている。保健婦が営々として築いてきた保健基盤,住民との信頼関係,開発してきた社会資源などがここに至って,うまく噛み合い総動員できたことは幸いであり,モデル事業を担当出来たことに感謝している。しかしながら新たな課題を抱えることにもなり,次のステップを踏まねばならない責任を感じている。ゼロ対策については他の機会にするとして,ここでは訪問看護を中心に報告する。
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