発言席
家族臨床にみる仲間型夫婦関係の重要性
本村 汎
1
1大阪市立大学生活科学部
pp.611
発行日 1990年8月10日
Published Date 1990/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900095
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日本の社会における夫婦関係には,妻の側からみると,夫が妻を支配する服従型,母親型,弱者型,そして仲間型があるが,そのなかでも,高齢化社会において最も適応力の高い夫婦関係は「仲間型」のようである。
日本の多くの老人は,健康な間は別居志向が強く,健康に自信がなくなるにつれて近居志向になり,ついには同居志向を強くする。事実,老親夫婦の場合,脳梗塞で寝たきりの状態にある妻の介護疲れで夫自身も病で倒れると,子ども夫婦との同居を余儀なくされる。
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