特集 変化する地域ニーズと保健婦活動
離島における母子保健活動について—妊産婦の健康管理10年間の歩み
徳若 光代
1
,
林 清子
1
,
岩野 真保
1
,
藤井 和枝
1
1島根県黒木保健所
pp.1049-1060
発行日 1989年12月10日
Published Date 1989/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662207859
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I.はじめに
黒木保健所管内は島根半島北東の日本海上にあり,最短距離にして44kmに位置し,西ノ島(西ノ島町56.87km2),中ノ島(海士町33.49km2)および知夫里島(知夫村13.66km2)を中心に180の島々からなっている。管内人口は昭和25年の16,571人を最高に減少の一途をたどり,現在は世帯数3,301,人口9,166人,老齢人口割合が22.9%となっている(昭和60年国勢調査)。
管内には専門医が不在で,助産院が1か所あり高齢の助産婦1名が対応している。過疎化,高齢化がすすむなかで出生率は年々減少しているが,周産期死亡,低体重児出生などの問題も多い。そこで過去10年間の母子保健活動のふりかえりから学んだことを整理し,妊産婦の健康管理システムを確立するまでに至った経過を報告したい。
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