特集 アルコール依存症者へのケア
アルコール依存症と家族に対する地域看護
世良 守行
1
1周愛クリニック
pp.634-639
発行日 1989年8月10日
Published Date 1989/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662207787
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はじめに
アルコール依存症の治療も10数年前と比べると格段の差がある。アルコール専門病棟の増加とともに,自助グループの発展,精神保健センター,保健所の取組み,アルコール専門外来,アルコール問題に関心をもつ市民団体(AKK,ASK)の活動など,アルコール依存症の対応が精神病院から地域へと拡大されている。
当然,看護もその影響を受けることになった。精神病院の看護から地域における看護の重要性が問われるようになり,保健婦の活動も病院選びから,地域でのかかわりが求められるようになっている。地域のかかわりは,アルコール医療の動機づけから断酒継続の援助という本人の問題とともに,家族や地域のかかわりも必要となる。とくに,家族のかかわりは重要で家族が本人の飲酒の振り回されなくなったとき,本人が断酒の必要性を感じるといっても過言ではないように思える。
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