特集 母子保健活動の評価
母子保健における健診の評価
上田 ヤス子
1
,
内田 昌子
2
,
上村 美智代
3
,
斉藤 秀子
1
,
江藤 多佳代
1
,
市原 幸
4
,
小林 眞理子
1
,
清村 康代
1
,
岩永 俊博
1
1熊本県阿蘇保健所
2現在 熊本県中央保健所
3現在 熊本県山鹿保健所
4現在 熊本県保健予防課
pp.454-459
発行日 1989年6月10日
Published Date 1989/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662207753
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評価について考える
評価という言葉を国語辞典で調べてみる。「人や物事,ものについて,ある基準に基づいて,その価値や価格を決めること」と書いてある。「もの」を測ろうとするときには「尺度」が必要である。また「それでいい」のか「それではよくない」のかを判断しようとするときには「基準」が必要である。ここで考えようとする健診の評価という場合の「尺度」「基準」とは何だろう。
健診を母子保健システムの1つの機能として捉え,システム論的に「評価」を考えると一種のフィードバックといえるだろう。システム全体の目的があり,その機能としての健診の目的がある。つまり,評価とは,健診がその目的に向かってうまく機能しているか,また,そのことは,システム全体が,全体としての目的へ向かって動くために機能しているかということを,「ある基準」に基づいて判断し,その判断の結果を健診の内容やすすめ方に対して,還元する働きともいえる。
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