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TALK・トーク・とーく
吉岡 洋治
1
,
石橋 奈峯美
2
,
平塚 朝子
3
1東京江東区城東保健所予防課
2埼玉しんきん健康保険組合
3山形県立高等保健看護学院
pp.1120-1121
発行日 1988年12月10日
Published Date 1988/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662207667
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"保健士"に期待する
保健婦資格を男子が取れる。このことは,私たち千葉大学看護学部1回生の男子が,長い間待ち望んでいたことである。男女の機会均等の雇用制度の確立が叫ばれ,女性の男性職業への進出が目立つようになる反面,逆の立場の女性職業の男性への開放は,なぜか遅れていた。その1つである保健婦の男子への対象拡大が,やっと近々,保助看法の改正により,成立する可能性がでてきたのである。これで,はれて男子の保健婦いわゆる「保健士」が誕生するのであるが,現在の保健婦体制のなかで,保健士がどんな役割を持ち,その特性を発揮していくのであろうか。
現在の保健婦業務の中心は,疾病構造の変化もあり,従来の結核,伝染病予防の保健指導から,母子保健,精神保健,そして成人病予防へと移っている。そしてさらに住民の健康ニーズの多様化と高齢化社会を迎えた社会的背景の変化から,保健婦はより重要な役割を担うようになってきている。それは,地域での患者を中心とした健康システムの指導的部分と他の医療関係諸機関とのネットワークの推進者の部分を受け持つことである。いわば,地域保健推進のためのコーディネーターまたはオーガナイザーとしての役割である。
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