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TALK・トーク・とーく
印南 眞理子
1
,
片岡 ゆみ
2
,
山城 みどり
,
坪 捷江
3
1栃木県大田原市立石川小学校
2NTT東京中央健康管理センター
3青森県立青森高等看護学院
pp.780-781
発行日 1988年8月10日
Published Date 1988/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662207593
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- 文献概要
子どもらしい子どもの成長を願って
青い空に,まぶしいほどの新緑が,美しい校庭から,今日も元気な子どもたちのはずむ声が,所狭しと聞えてきます。保健室から,そんな生き生きとした子どもたちの姿を毎日ながめながら,養護教諭として,5年目の春を迎えられることに,幸せを感じています。
本校は,全校児童156名,職員13名という,小さな小学校です。まわりには田園が広がり,子どもたちは,伸び伸びと,そしてのんびりと生活しています。わずか160名足らずの子どもたちのことですから,5年もいると,その子の性格,兄弟・家庭の様子,果ては,親戚関係までわかってしまいます。子どもたちのほうも,私ともう数年のつき合いがありますから,私をうまくおだて,保健室を憩いの場として,遠慮なく活用しています。それでも私は,保健室が憩いの場として利用されることに喜びを感じます。子どもは,元気でいるからこそ,子どもらしさが発揮できるのです。しかしながら,身体上は異常のない子どもであっても,なかには5校時もの勉強にたえきれずに,息苦しさを感じる子もいれば,能力的についていけず教室から逃げ出す子,家庭内のいざこざで,小さな胸を痛めて勉強が手につかない子など,どこかに救いを求めている子も,少なくありません。
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