書評
心身の問題に苦しむ子どもたちに迫る—「学校の病」を読んで
曽根 睦子
1
1筑波大学付属駒場中・高等学校
pp.129
発行日 1988年2月10日
Published Date 1988/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662207482
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学校の保健室に持ち込まれる子どもの身体的な訴えの中には,なにか気になる部分を含んでいる場合が少なくない。その様な時,養護教諭は,まず子どもの訴えに注目して,(除外診断の目的で)身体系の科への受診をすすめる。多くの場合,諸検査の結果「異常なし」で戻されるが,対症療法として与薬される。しかし,一向に症状は消失せず,子どもも親も教師も模索を続けるうちに,いよいよ気になる部分がクローズアップされてくる。この様な時こそ,私共は,訴えや症状の背景まで含めて,丸ごと子どもをとらえてくれる医師との出合いを心から願うものである。
本書は,この様な思いの私共養護教諭に,いや,心身に問題をもって苦しんでいる子ども達にとって,強力な味方の出現といえよう。
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