書評
—大阪市立小児保健センター編集—小児疾患のプライマリケア
上出 弘之
1
1東京都児童相談センター
pp.466
発行日 1985年6月10日
Published Date 1985/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662207013
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時宜にかなった出版
最近,臨床医学の各分野で,包括医療やプライマリーケアということが強く叫ばれるようになった。そしてさまざまの疾患の早期発見と,そこでの適切な対応の必要性,重要性がうたわれるようになっているが,これはさらに進めて,スクリーニングや発症予防の実践へ向かうものでなければならない。
〈小児疾患のプライマリーケア〉と題した本書は,上記の目的をめざした内容で編集され,まさに時宜にかなった出版となっている。450ページほどの本書は,大きく「スクリーニングから医療機関へ」,「プライマリーケア医から専門医療機関へ」,「救急処置」,「ホームケア」の4章に分けられている。それぞれの章では,小児の示すさまざまな症状,あるいは状態についての解説はもとよりであるが,とくにその対応のしかたについて,ていねいに記されている。大阪市立小児保健センターで,臨床経験とともに,実地にスクリーニングの参加指導経験を持たれた方々が,その経験をもととして書かれたものであるだけに,きわめて有用な内容となっている。
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