調査
地域における中小零細企業に働く中高年層に対する保健活動
谷井 祐子
1
,
金 茂子
2
,
山岸 春江
2
1千葉大学看護学部4年
2千葉大学地域看護学講座
pp.927-936
発行日 1982年11月10日
Published Date 1982/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206604
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
千葉大学看護学部では4年次後期に2週間の総合実習と,2か月間にわたる卒業研究を実施している。総合実習は,チームアプローチを含めて看護の総合能力を高めることを目的とし,基礎看護,成人看護I,II,小児看護,母性看護,精神看護,地域看護,基礎保健の8講座が担当する。学生は8講座のかかげる臨地実習の中から一つを選択する。同様に卒業研究も臨地実習の中から学生各自がテーマを見出し,関連の深い専門分野をもつ教官の指導を受けることになっている。ここに紹介する研究レポートは,地域看護学講座の総合実習を選択した学生が,その中で興味をもち取り組んだものである。
当講座の総合実習の目標は,地域社会の生活集団を基盤とした看護活動の展開方法の基本的な学習として,看護活動計画作成過程を実地に学ぶことにある。実習地域は前半1週間は千葉市,後半1週間は千葉県S町であった。このレポートをまとめた学生は,1日6〜7件の全戸訪問調査に多少疲れたといっていたが,さまざまな階層の人に出会い,貧富の差を実感として受けとめており,健康問題が家庭訪問により明確になったことや,保健婦による健康な人々への活動が住民に知られていないことなどを強く認識したようである。そして,平日の日中の家庭訪問では,成壮年の働いている人にほとんど会えないことなどから,こうした人たちの健康管理の実態に関心をもち,主体的に研究課題に取り組んでいった。
Copyright © 1982, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.