特集 生活を根っこで支えた活動
栃木県那須地区の開拓保健婦に学ぶ
泥まみれの保健婦活動—開拓者と一体となって 伏見美那子さん
佐藤 節子
1
,
杉江 洋子
1
,
向井 暁子
1
,
月井 早苗
1
,
田代 恵子
1
1あじさい会
pp.814-816
発行日 1982年10月10日
Published Date 1982/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206582
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保健婦になりたい
昭和18年,結核の先兵などと励まされて結核研究所付属保健婦養成所を卒業した伏見さんは,保健所に入りたくて,矢板保健所に申請したけれども,X線に陰があるとの理由で採用されなかった。しかし,当時私生活が一番苦しい時に当たっていたため,乞食同様の格好をしていたことが悪い印象を与え,それが不採用の真の理由であると後でわかった。昭和25年のことである。
外見で採用の採否を決めるなんてと腹立たしく思ったが,保健婦になることをあきらめきれず悶悶の日を送っていた。当時は退職勧告が盛んな時でもあったが,行政退職条件もよかった。ちょうど開拓保健婦に3人の欠員が出て,県でその補充のための募集を行った。伏見さんは,運よくその1人として開拓保健婦に採用された。
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