特集 "生活者"を支える
地域精神衛生活動の—つの試み
家族から"無断欠勤,暴力行為"を問題とされひきこもり状態にあった青年が職場に復帰するまでの過程—家族・職場・医療機関スタッフとの協同によるKさんへのアプローチをふり返って
染谷 睦子
1
,
最上 キクエ
2
,
外口 玉子
3
1東京都小平市役所
2東京都福生保健所
3東京都精神医学総合研究所
pp.658-696
発行日 1981年8月10日
Published Date 1981/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206405
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
まえがき
このKさんをめぐって,私たちが体験した迷いや焦り,そして発見やそれに伴う喜びは,小平保健所を中心とする私たち保健婦の,ここ十年余りにわたる"地域内支援"のあり方への模索のスタートラインともいえるものである。
すでに,本誌,33巻7号(昭和52年7月)において最上,外口が報告した上野さん(仮名,"ひとりぐらしの老年の女性")の場合と並んで,このKさんもまた,当時,精神衛生活動にとりくみはじめたばかりの私たち保健婦にとって,多くの発見と学びとを与えてくれた人である。
Copyright © 1981, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.