活動報告
効果的な保健所実習の試み-茅ケ崎保健所における看護学生の実習指導報告
金沢 秀子
1
1神奈川県茅ケ崎保健所
pp.472-479
発行日 1981年6月10日
Published Date 1981/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206387
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I.はじめに
神奈川県の保健所においては,看護学生の実習生を年間約600〜700名受け入れている。当保健所における実習生の数は昭和52年度48名,53年度56名,54年度59名であった。実習生の数は年々増加しており実習の場を提供する側としては,実習生への平均化した実習経験の配慮,および実習効果の効率化ということを常に検討してきた。
今日保健所では既成の事業が整理されないままに,疾病構造や経済,社会環境などの変化に伴い新しい事業が上積みされてくる。日常業務の遂行に追われている現状においてもなお年々増加する実習生を受け入れなければならない。こうした制約条件の中において,保健所の保健婦と教育にたずさわる教務との間にあるものは,看護学生を将来"看護"にたずさわる後輩(専門職業人)として見,育て,教育する義務があるという共通認識にささえられていると思うのである。しかしながらこれまでの実習生教育の多くは学院側の,それぞれに異なった方針にそった目標設定と,保健所依頼を軸としてきた保健所のもつ教育的意向を中心とした議論は極めて少なかったと思う。保健所から「苦情を申しあげる」ことはあっても,これらは共通の教育的視点に立つ議論ではなかったともいえる。
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