特集 東京・江東区における障害児の地域ケア
保健所の障害乳幼児援護高次化のプロセス—深川保健所の到達点と課題
加藤 智津
1
,
加藤 春樹
2
1江東区深川保健所
2全国障害者問題研究会
pp.56-87
発行日 1981年1月10日
Published Date 1981/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206341
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はじめに
江東区深川保健所では保健婦集団によって,1973年頃から障害乳幼児の早期発見,早期治療・教育の必要性が意識され始め,その実現のために1976年度から,乳幼児健康診査におけるスクリーニングの精度向上を中心とする意図的なとりくみが開始された。このとりくみは現在第5年次に至り,今年度の終了を待って,効果測定を含め,その到達点を吟味すべき段階である。したがってこのたび,本誌に寄稿するにあたっては,近い将来総括的吟味を行う必要があるという認識に立ちつつ,その時点で発想されねばならない吟味,もしくは評価の方法を案出するという課題に向けた基礎作業を行った。具体的には,現時点における深川保健所の障害乳幼児援護のうち障害児家庭への生活援護を除く直接の児に対するアプローチ,すなわち健診と継続管理の2点を中心にその到達点と課題を抽出し,あわせて,その到達点を生み出す背景となった保健婦集団の自己教育的活動と,親の会の機能的変容について若干の考察を行った。
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