基礎講座
公衆衛生と衛生統計の意義
丸山 博
1
1元阪大
pp.841-859
発行日 1980年10月10日
Published Date 1980/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206303
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はじめ
保健婦の任務
生まれたり,年をとったり,病気になったり,死んだりするのは人の世の苦しみの常である。それだけに一人一人にとってはまたとない人生の経験である。今日は他人の身ということも,明日は我が身になる。経験を無駄にはできない。その上に立って理論が組み立てられたり,くずされたり,人類の絶え間なき知恵の力で,新しい社会がつくり上げられつつあるかのようにみえる。しかし,新しいものが常によいものだとは限らない。絶えず基本に人間の命の尊重を据えて監視しなければならない。行政機関の末端にあって,一般国民の命と健康を守る,この任務を持っているのが保健婦だと私は思っております。
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