活動報告
入院現象から見た老人問題についての一考察(I)—中央区中央保健所管内の4例の事例を通して
高木 敏江
1
1東京都中央区中央保健所
pp.632-637
発行日 1980年8月10日
Published Date 1980/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206282
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I.はじめに
今後も,老人人口比率の増大,人口の高齢化の進行が予測され,老人問題は幅広くそして末広がりである。医療福祉面では,老人福祉法に基づく老人健康診査,老人医療費助成をはじめとして,各区市町村ごとに細かい施策が実施されるようになっている。そして,行政の中の医療看護面で働く保健婦の業務の中でも,成人病などと重なり合いながら,老人の問題が大きくなってきている。
筆者の所属した中央保健所管内では,昭和54年1月1日現在で,人口63,599人であり,53年に比較すると721人減少している。年齢階級別を見ると,年少人口の割合は53年より0.3%減,生産人口は0.1%減,老年人口(65歳以上)は0.5%増加している(図1)。中央区は千代田区に次いで夜間人口の少ない区であるが,昼間人口は昭和50年の国勢調査によると約66万人という。居住地としてよりも商業経済区としての利用度が高い区である。
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