レポート マンパワー(保健婦)の検討
研究
沖縄県の地域特性と駐在保健婦活動との関係について—その1 地域の類型化と保健婦活動の分析方法
華表 宏有
1,2
,
比嘉 恵子
3
1産業医科大学公衆衛生学講座
2前琉球大学保健学部疫学研究室
3琉球大学保健学部疫学研究室
pp.503-511
発行日 1979年7月10日
Published Date 1979/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206141
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I.はじめに
沖縄県の地理的特徴としては,第1に亜熱帯圏に位置していること,第2に大小あわせて200余りの島嶼から構成されていることが挙げられよう。1975年の国勢調査時の沖縄県の全人口はおよそ104万人であるが,そのうちの約91万人余が主島である沖縄島(一般には沖縄本島といわれている)に居住し,残りの約13万人弱が39の有人島嶼に散在して生活している。そして島内の島嶼・市町村レベルでみた社会生活環境条件は実に多種多様であることが指摘される。
一方,沖縄県の保健婦活動の特色は1951年の発足以来,一貫して市町村への駐在制度を採用してきたことである。この保健婦駐在制度をめぐる人的資源の問題については,さきにわれわれの1人が報告したが,本研究では過去10年間余りの保健婦活動記録を資料として,その活動内容を保健所(以下HCと記す)または市町村ごとに追跡し,あわせて保健婦1人当たり受持人口や人口増減率などによって当該地域を類型化し,これらのいわゆる地域特性と上記の保健婦活動との対応の実態を検討した結果について報告する。なお本稿は,その1として主に方法論に関する事項(すなわち地域の類型化と保健婦活動の分析方法)について述べることにする。
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