特集 訪問看護と保健婦の活動—横浜の保健婦が体験しつつあるもの・1
横浜市の保健婦気質=1
新旧のあつれきがなくもの言える職場
伊吹 マサ
1
1横浜市神奈川保健所
pp.370-372
発行日 1978年6月10日
Published Date 1978/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662205988
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神奈川県のモデル保健所として発足した横浜市の保健所に就職したのが昭和23年であるから,今年でちょうど30年になる。10年一昔ということからいえば,三昔になるのだから,当時から働いている保健婦が横浜市の保健婦活動の基礎をつくり,歴史の一翼をになってきたといっても過言ではないだろう。
今この30年を振り返ってみるといろいろの思い出が楽しく美しく,時には悲しくつらく,走馬燈のように私の脳裏をかけめぐる。そしてこの思い出はすべて保健婦業務につながるものである。この頃からやめないで,ずっと横浜市に勤めている理由は何なのだろうか。多くの同僚に聞いてみた。異口同音に,仕事への生きがい,家族の協力,職場のよい人間関係などと答えてくれた。最近横浜市は全国に先がけて,行政として"在宅看護職活動事業"として,ねたきり老人の訪問を推進している。この事業がよってくる原因一要因を論ずる時,何といっても横浜市の保健婦活動の歴史にまで言及せざるを得ない。横浜市の保健婦の歴史を築いたもの,とりもなおさず横浜市の保健婦の気質である。この歴史は,気質は,どうしてつちかわれたものであろうか,記憶の糸をほぐしながら表題にふれてみたい。
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