発言席
自主的地域保健活動—大阪府下H市における実例
丸山 博
pp.257
発行日 1977年5月10日
Published Date 1977/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662205847
- 有料閲覧
- 文献概要
M小学校のH養護教諭の3か年の取り組み
1人の喘息の子がなげかけた問題から始めたヨガ式の健康体操が,校内の健康障害をもつ子の体操となり,父母の会の発展や学校保健委員会の活発な運営を盛りあげるに至った。子どもたちはどう変わったか――自分の病気に負けないで,健康になるために努力する姿勢が生まれた。健康体操の集団指導を通して,単に病気の克服だけでなく,同じ病気の子の集団の励まし合いと学級集団に認められた中で闘病生活を送れるという明るさがでてきた。
喘息児の親はどう変わったか――親同志の学習会が生まれた。よその子どもの病気の様子や,治療の様子,食生活などについて聞きたいという願いの中で,"喘息交流会""回覧ノート"などで交流を深めてきた。地域の父母も参加するようになった。隣の学校の父母や幼稚園児の親も参加してきた。学校保健室がどう変わったか――地域の健康の問題が,父母から学級懇談会や,参観日の際にどんどんもちこまれ,子どもは自分の健康問題を,また職員も健康の問題をもちこんでくれるようになった。父母の手による保健委員会が生まれた。(以上は,51年度大阪教職員組合養護教員部"学習会報告集"レポート5より)
Copyright © 1977, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.