特集 地域における精神保健
大阪市の保健所における通所訓練
山室 哉美
1
Kanami YAMAMURO
1
1大阪市天王寺保健所
pp.309-312
発行日 1985年5月15日
Published Date 1985/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207046
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■はじめに
大阪市の保健所における社会復帰相談指導事業(グループワーク)は,昭和52年に保建婦による専任の精神衛生相談員が,26保健所のうち5保健所に発令されて以来,個別の相談を展開する中で試みられるようになった.当時をふりかえってみると.
<その1>病状が安定したので退院して来た34歳の女性.四畳半の一部屋で母親と2人暮しのため,仕事といえば狭い部屋の掃除をするくらいで,いくら磨ぎたてても,たちまちする事がなくなってしまう.病院で覚えたというコーヒーや煙草を娘にせがまれた母親は,苦しい家計に悲鳴をあげ,何かいい方法はないかと保健所に訴えた.相談員がどうしたものかと検討している間に,彼女はまた入院して行った.
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