特集 実践交流から理論化へ—主体的保健婦活動論の組み立て 第8回自治体に働く保健婦のつどい集録
基調報告
保健婦をめぐる情勢と私たちの課題
小柴 淚子
1
1保健婦のつどい運営委員会
pp.459-465
発行日 1976年8月10日
Published Date 1976/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662205736
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インフレ不況と地方財政の危機
私は,自治体のつどいの運営委員として皆さんの討論を代表するかたちで基調報告をさせて頂きます。私たちは,昨年,この同じ会場で,たくさんの保健婦が集まり"与えられた枠内業務の中にとどまらないで,住民の中に入ってさらに公衆衛生活動を発展させようではないか。"と,誓い合ってお別れをしました。これから,この1年間にわたります皆さまの貴重な体験あるいは実践がいろいろな形で報告されるものと思いますが,これからの討論の素材として若干の提起をしたいと考えます。
まず最初に今年の集いの基調を貫くものは何かということになるわけですけれども,これはいま毎熊先生からお話をいただきましたように,やはり今日の情勢としてとらえていかなければならないのは,厳しい地方財政危機の問題です。これからいろいろ話される問題の中でもたえずこの問題が出されてくるのではないかと思います。ですから運営委員会としての基調報告といたしましても,まず第1にこの地方財政危機の問題をどう私たちがとらえるか,このことに焦点をあてるべきではないかというふうに考えております。
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