世界の保健・医療制度/過去・現在そして未来……
スウェーデンの医療—2
田中 恒男
1
1東京大学医学部保健学科
pp.620-623
発行日 1974年9月10日
Published Date 1974/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662205528
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スウェーデンの地域医療
前回でも触れたように,全国28の医療行政区=countyと,ストックホルム,ゲーテンブルグ,マルメの3大都市区のそれぞれは独自の医療委員会=county councilがあって,病院を中心とした地域内医療の計画・運営に当たっている。ちょうど米国のヒル=バートン法による病院計画のように,ベッドの増床や新しい病院造りの具体的な決定権限を持つ。各行政区の分担人口は前回の図に示した通りであるが,それぞれの地区には最低1つの中央総合病院があり,その下に3〜4程度の下位病院がある。更にこの下部組織として診療所(大部分公営,都市地域では私営もある)が配置されるが,この1部は小病院となっている所もある。又,特殊な治療や教育のために,全国に7か所のRegional hospital(うち6病院は大学病院)があり,精神病院,老人病院,小児病院などが設置されている。
この病院機構は図1のようであり,Regional hospital――Central hospital――General or nonspecialized General hospital――Health Centerといった階層構造を持っている。
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