事例研究
治療をあきらめようとしていた患者が入院を決心するまで
照沼 美代子
1
1茨城県高萩保健所
pp.298-301
発行日 1974年4月10日
Published Date 1974/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662205471
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はじめに
保健婦になって5年,現在まで多くの患者との出会いを持ったが,どこまで対象中心の看護であったか疑問である。今回,49歳男子,結核性膿胸,前立腺,副睾丸結核の病名を持ち,本人も治療した方がよいと思いつつも,家庭的に複雑な問題を持ち,手術をすると再起不能になるのではないかという不安な気持を酒でまぎらわせ,治療をあきらめようとしていた患者に出会い,本人が断片的に表現している不安に対する説得をやめ,本人の希望に沿うよう努力したところ,入院を決心し,適切な時期に結核性膿胸の肺剥皮術を受け,社会復帰をめざして療養中である。
この事例を通して,今まで私の看護が自分かってな,保健婦中心の看護であったことに気づくきっかけになったので,この事例について保健指導の経過を報告する。
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