二ュース診断
地域住民として生きるには?
久米 茂
1
1深夜通信
pp.850
発行日 1973年11月10日
Published Date 1973/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662205396
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みなさんはどこかに住んでおられるはずである。"住む"とは自分の家でも下宿でもアパートでもかまわない,要するに寝て起きて食うところのことである。さてあなたは,そこで幾人ぐらいの友人をもっておられるか(A),何軒ぐらいの行きつのの店があるか(B),幾つぐらいの地域サークルやグループに属しておられるか(C)……といったことをを設問してみたい。A,B,Cの3つに複数の回答が用意できる人は<地域住民>としてスレスレの線だと申しあげておこう。では,つぎの設問はどうであろう。あなたの所の自治体の首長・助役・収入役の名を知っておられるか(D),議員と交際がおありか(E),そういう機関や人に陳情や請願をしたことがあるか(F)――。D,E,Fに1つ以上イエスと答えられる人は,〈地域住民〉としてまあまあの資格をおもちだと申し上げておこう。最後に次の設問。議会の予算はいくらかご存知か(G),広報や公民館,市民会館等の公共機関を利用したことがあるか(H),地方自治法,地方財政法を読んだことがおありか――。2つ以上イエスと答えられる人は<地域住民>として優等生(?)といえよう。
こういう設問にフフンと鼻であしらうことのできる人は権力者か,よほどの金持ちか,大変な自信家のいずれかだろう。それはお幸わせな,人生の達人者というべきかもしれない。
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