声
保健婦と結婚
花岡 美千子
1
1長野県下伊那郡売木村役場
pp.236-237
発行日 1973年4月10日
Published Date 1973/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662205255
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26歳,一般にいう結婚適齢期の保健婦である。2年前,新卒で県端のへき地といわれる保健婦未設置村へ赴任した私。人口わずか1,000人足らずの小さな農山村で,村民にとっても私にとっても,保健婦という名称になじんでいない状態で保健婦活動への賭けが始まった。農家の生まれで農村育ちのため,農村を少しでも知っているということ,看護婦として社会生活をわずかながら経験しているという2点を心の支えとして,見ず知らずの土地で1人初めての活動に踏みきったことは,いま思えば相当に度胸がよかったようだ。最初の1年は無我夢中で終わってしまった。半年足らずで村民の名前と顔と家の一致は完成し,村民も保健婦活動を表面的ではあるが理解し,孫のように娘のようにかわいがってくれた。
そして,活動内容の充実を目標にした2年目も終わろうとしているが,自問自答,1人ずもうの孤独感で早くもゆきづまってしまった最近である。
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