研究
森永砒素ミルク被災児の発育・発達上の諸問題—疫学的なアプローチの試み
合田 節子
1
,
藤田 育子
1
,
橋本 真紀
1
,
和田 節
1
,
松川 良子
1
,
坂東 美知子
1
,
三原 千津子
1
,
中桐 佐智子
1
1岡山大学医学部衛生学教室
pp.63-68
発行日 1971年6月10日
Published Date 1971/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662204933
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I.はじめに
森永砒素ミルク中毒事件の発端とその後の経過については,すでに数多くの報告があります1〜6)。しかしこの問題について我々保健医療関係者が取り組む時には,まず15年間もの長い間,被災児とその家族を放置してきた事実を直視し,その人達によって告発し続けられていたにもかかわらず,なんらこれに対応しえなかったことを深く反省しなければならないでしょう。しかもこの反省と自己批判は,単に口先の問題としてではなく,今後の実践活動の中で正しく実証していかなければならないと考えています。
このような立場でこの問題の今日的意義を考える時,数多くの重要な教訓をわれわれに与えてくれていると思います。
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