特集 保健所再編成の動き
第Ⅲ部 現場の声
期待できない保健所再編成問題
小林 ユキ子
1
1調布市役所
pp.96-97
発行日 1971年3月10日
Published Date 1971/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662204881
- 有料閲覧
- 文献概要
医療保険制度の抜本改正から端を発し,保健所再編成は,それに伴う保健婦の組織機能体系とほとんど期を同じくして論じられてきた。聞くところによれば,すでに秒読みの段階に入ったともいわれています。この一連の経過をみていると末端の保健婦にとって,展望よりは一抹の不安とあせりを感じます。そこで市町村からみた場合の保健所の機能について考えてみたい。
保健問題はもちろんのこと,看護の概念も社会の変化とともに拡大され,一層多様化している。また内容によっては,自治体というわくを越えた問題としてとりあげる必要さえも出てきている。こういう流動的な中にあっても,保健婦業務の本質は,住民とのつながりの中で根をおろし,その中から保健問題を見いだし,積み重ねていくものだと考えます。地域の健康問題を総合的にとらえ,総合的に分析・解決していく過程として,情報の収集,問題の客観的な把握,資料の整理,調査研究,教育(関連職種)等の間接業務を保健所の機能として強化してほしい。
Copyright © 1971, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.